きょうたんご福祉ナビ

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投稿日:2022年04月06日

認知症の方との関係を紡ぐユマニチュード

「あなたが大切です」と伝える「ユマニチュード」とは

ユマニチュードとは、「その人らしさ(尊厳)」が保たれ「その方の持つ能力」に寄り添った認知症ケア・コミュニケーションの技法です。
「ユマニチュード」という言葉は、フランス語で「人間らしさを取りもどす」という意味を持っています。
ユマニチュードには、「ケアの4つの柱」として「見る」「話す」「触れる」「立つ」の要素があり、どれも相手に対して「あなたは私にとって大切な存在です」とわかるように伝える技術です。4つの柱は一つだけではうまくいかないので、同時に複数の要素を組み合わせて行う事が大切です。

関係を紡ぐ「見る」「話す」「触れる」

ある重度の認知症のご利用者の方のケアでのことです。
毎日声をかけても眉間にしわが寄っていることが多く、コミュニケーションが取りにくい方でした。
そのため、正面から目線を合わせて「見る」、これから行うケアの内容を前向きな言葉で実況して「話す」、優しく広い面積で「触れる」3つの要素を組み合わせたコミュニケーションやケアに取り組みました。相手に対して正直であることや、ケアが心地よい状態へ導くためのサポートであることを伝え、触れた場所から優しさが伝わるようにと意識していきました。

取り組みを続けていくと次第に、「元気だで」「おはようさん」とはっきりとした言葉を聞くことができるようになり、表情も豊かになりました!さらに、食事の時には、口を開けてくださるようになり、自分の力で召し上がっていただける食事形態に回復していくことができました。
これらの変化は、私たちが「あなたが大切です」という伝えたいメッセージが、ご利用者に届いたのではないかという希望になりました。