ある日のご利用者と職員の様子です。
その日は職員が「お風呂に行ってさっぱりしましょう」「温まってきましょう！」「いい湯がはってありますよ～」などと、いくら前向きなお声がけをしていても、その方は頑なに入浴を拒まれておりました。
そこで、「ここは〇〇園ですよ。私はその職員です。一緒にお風呂に行きませんか？」と声のかけ方を変えてみました。すると、ご利用者の表情は一変…！
「あっ！ここは〇〇園か！私は〇〇園におるだか。お風呂行こうでー」と、おっしゃって、自らすすんでお風呂場へ。
実は、その方は「お風呂に入りたくない」わけではなく、認知症の症状から、今自分がどこにいるのか、話かけている人が誰なのかわからず、そのことが不安になって声がけを拒んでいたようです。
認知症の方は日々、わからない不安の中で生活をされている…。だからこそ、今という瞬間を必死に過ごしておられると感じます。
だからこそ、その方の生きる「今」に寄り添い、見ていらっしゃる世界に入って声をかけていくことが大切です。