きょうたんご福祉ナビ

きょうたんご福祉ナビ

京丹後で管理栄養士になる
夢を叶える!

濱出 恭樺
丹後大宮福祉会 おおみや苑
管理栄養士

地元で管理栄養士として働きたい

もともと、私は慣れ親しんだ地元で働きたい希望がありました。都会よりも自然に恵まれたこの地が好きだし、自分を育ててくれた家族や身近な人の近くで暮らしたいという思いが強かったのです。

高校卒業後は京都嵐山にある専門学校で、管理栄養士になるために4年間学びました。卒業と同時に国家試験を受け、管理栄養士の資格を取ったのですが、その時、地元には管理栄養士の募集はなく、給食委託会社に就職し、配属された神戸の病院で3年間勤めていました。

そんなとき私が地元で働きたいことを知っていた方を通して、現在の職場での募集があることを知り、縁あって、地元で管理栄養士として働くという夢が叶ったのです。

多職種の連携で、 より質の高いケアを目指す

主な仕事はご利用者の栄養状態を把握し、よい状態をキープできるような食事内容、提供方法を考えるということです。食事を作って提供するだけではなく、食べている様子を見させていただきながら、直にご利用者の声を聞かせていただいたりしています。「今日のはちょっと、うすかった、からかった」「自分は、今日の味付けが好き」などの声を聞き、ご利用者の嗜好をつかんだりしています。

またデータを見ながら、介護職をはじめとした多職種の方と相談し、その方の状態に合わせた形態、提供方法、調理方法を工夫するようにしています。やはり多職種との連携はとても大切で、ご利用者の方の様子を見に行った時に感じた疑問などは、介護職に詳しく聴くよう心がけています。

デイサービスでのおやつ作り

「おいしいよ」「味付けがよかった」とご利用者が笑顔で声をかけてくださるときが、一番やりがいを感じます。また、形態を変えたことで、食事量が増え、栄養状態が良くなってきたことが分かったりすると、とても嬉しくなります。
今、デイサービスで月1回、ご利用者と一緒におやつを手作りする取り組みを行っています。とても好評で、作業をすることで昔を思い出したり、家ではできない体験を喜んでくださっています。

みなさんが楽しく会話をしながら、作ったり、食べたりしている光景をみると、何かを一緒にやることを通して、ご利用者、介護者双方にプラスになるような食の取り組みなども、さまざまな場で積極的に考えていきたいと思っています。

地元に戻り、 働きたいと思う“あなた”へ

地元に戻ってまだ2年です。確かに田舎は買い物にしても、交通手段にしても、都会より不便です。以前から比べると、新しい建物ができたり、お店ができたりしています。しかし大きな変化はなく、私はそこに安心感を抱いています。変わらないのは、この豊かな自然です。自然の中にいると落ち着きます。そして人が温かいです。地域による違いを感じることもありますが、人の温かさは変わりません。

私のように地元で働きたいと少しでも考える人がいるなら、若い人材は求められています。特に福祉分野は求められています。働くことが、自分たちを育ててくれた故郷への恩返しに直結することは、素敵なことだと思います。