きょうたんご福祉ナビ

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地域の交流 × 福祉

子どもたちに多様な価値観を育む場をつくる
社会福祉法人あみの福祉会チューリップハウスの取り組み

保育所の子どもたちとの交流が生まれる場

あみの福祉会のチューリップハウスでは月1回サークル活動を行っており、その中のひとつ音楽サークルはチューリップハウスを会場に活動をしています。音楽サークルでは、毎年ゲストを招いてミニコンサートを行っており、4年前のミニコンサートでは保育所の子どもたちに歌や踊りを披露してもらうという企画をしました。

一緒に歌ったり、踊ったりしながらの交流が2年間続き、双方もっと交流がしたいということになりました。わたしたちの施設では春にはたくさんのチューリップが咲いているので、保育所の子どもたちが散歩の途中で寄ってくださり、チューリップ花壇の前で、4月生まれの子の記念撮影をされる、そんなことが自然に始まっていきました。

ダンス、ハロウィンなど一緒のイベントで交流促進

その後もチューリップハウスの畑で栽培した枝豆の収穫を一緒に行うなど、だんだんといろんなことを一緒にやる機会が増えていきました。2019年度のミニコンサートでは、わたしたちがよく踊っている「さかなごはん体操」というダンスを一緒に踊ったのですが、参加していた保育所の子どもたちが、それをとても気に入ってくれて、保育所でも練習し、次のときに一緒に踊って盛り上がったりしました。

また保育所から、「ハロウィンの時に仮装した子どもたちが訪れるので、保育士さんが作った紙のお菓子を渡してほしい」という依頼がありました。それぞれ仮装した子どもたちが「トリック・オア・トリート」と言いながらチューリップハウスを訪れ、仲間たち(ご利用者)が紙のドーナツを配る、といった楽しい取り組みとなりました。

誰もが暮らしやすいまちづくり

そのほか保育所の散歩途中でお花を見に寄ったり、休憩をしたりするなど、前もって連絡があるわけではなく、ごくごく自然に交流が行われています。初めて障害者と出会ったときは、突然大きな声を出す、大きく体を揺らす人にびっくりする子もいたと思います。でも一緒に歌ったり、踊ったりして楽しむ中で、距離がぐっと縮まっていったと思います。

子どもたちは体験を通して楽しいと思う中で、いろんな人がいるということを自然に受け止めてくれます。幼いうちから障害がある人と触れ合う機会があれば、多様な人と共に生きることが自然に感じられるようになると思います。今後はチューリップハウスの仲間たちと保育所に出向き、保育所の取り組みに一緒に参加していくことや、小学校との交流にも取り組んでいきたいと思っています。

障害者施設の認知度をもっと高め、多くの人に地域に障害者が暮らしていることが当たり前だと感じてもらい、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指していきます。